再生可能エネルギー普及促進事業 第二電力 株式会社

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オールドバンカーの挑戦

代表取締役社長 古田興司

私は、1976年以降約40年間にわたり、ずっと銀行員としてビジネスマン人生を送ってまいりました。
「経済の血液」と呼ばれるお金を、適切に供給するという銀行ビジネスは、非常にやり甲斐が大きく、国の発展に寄与しているという強い使命感もありました。

その一方で、いつかはお金を「貸す側」から「借りる側」に回り、調達したお金を最大限有効に活用して社会のお役に立ちたい――すなわち事業家として頑張ってみたい――という欲求も、常に心の中にありました。

でも、3番目に勤めた銀行のトップを退任した時(2015年6月)には、いつの間にか年齢は60歳を過ぎ、ビジネスマン人生の終盤戦に差し掛かっていました。
そんな折に、旧知の間柄であった弊社のオーナーから、「太陽光発電を行っているベンチャー企業の経営を引き受けてもらえないか」とのお話がありました。

「えっ、この歳から、未知の領域で一から出直し?」との思いも一瞬よぎりましたが、上に書きましたように、元々事業家としてチャレンジしてみたいという夢がありましたので、すぐに「これは天から与えられたチャンスかもしれない」という期待に変わりました。
加えて、「もし事業を行うなら、社会貢献の度合いが大きい分野を選びたい」という思いが従前から強かったので、クリーン・エネルギーを生み出す弊社の太陽光発電事業は、まさにそれにピッタリだと考えるようになりました。

・・・ということで、気持ちも新たに、太陽光ベンチャーの経営をお引き受けすることを決断した次第です。
「老骨に鞭打って」と言うほどの歳ではないものの、かなり遅まきながらの事業家デビューとなりましたが、こうして「オールドバンカーの挑戦」がスタートしました。

第二電力のビジネスモデル

第二電力のビジネスの大きな特徴は、「メガソーラー」と呼ばれる超大型の太陽光発電ではなく、「産業用低圧ソーラー」と呼ばれる小規模発電に特化しているということです。

主として中小企業の工場・倉庫のオーナー様より屋根をお借りし、そこへ太陽光発電設備を設置し、発電された電気を電力会社に売って収入を得るというものです。
お売りする電気の単価は、国の制度によって、20年間「FIT」という価格に固定されています(2017年度では、1kWh当たり21円)。

1つ1つの発電設備は小さな規模ですが、これを300~400箇所の屋根に設置し、それらの設備全体を1プロジェクトとして仕上げます。
そのため、1プロジェクト当たりの設備規模は、金額にして50数億円、パネル出力で20メガワット前後という大規模なものとなります。

必要な資金については、プロジェクト毎に、投資家からの出資金と銀行からの借入金によって賄い、売電収入によって借入金を返済しつつ、投資家へのリターンを確保するということになります。

私は長年銀行員でしたが、まさに攻守所を変えて、銀行からお金をお借りするということがとても重要な仕事になっており、何だか感慨無量といった趣であります。

そういうこともありまして、プロジェクトのキャッシュフロー予測を行う膨大な計算モデル(フィナンシャル・モデルと呼んでいます)については、「オールド・バンカー」自らがEXCELをペチペチと打ちながら、何とか完成に漕ぎ着けました。銀行のご担当者への説明も、自ら足を運んで・・・。

どのように社会のお役に立つか

(1)太陽光発電に期待集中

我が国の電力事情として、原発の安全性に大きな不安がある中、これに代わる火力発電(石油・石炭・天然ガス等の化石燃料による発電)については、環境を損なうCO2排出問題を抱えており、安全でクリーンな電気を誰かが発電しなければならない、という構造的課題があります。

この救世主として、再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・バイオマス・地熱等による発電)に期待が寄せられていますが、その中でもとりわけ、長年の実績があり技術的裏付けがしっかりしている太陽光発電に、最も大きな期待が集まっています。

(2)低圧ソーラーが有利

そして太陽光発電の中では、規模の大きなメガソーラーについては、土地の造成費が巨額に上ること、高圧線を使うため伝送コストが高いこと、草刈り費用がかなり大きいことなどから、案外コストが嵩みます。

これに対し、弊社のような低圧ソーラーは、安価な一般の電灯線を使用できること、元々遊休資産であった屋根を有効活用していることなどから、むしろ低コストで発電できることになります。

(3)「クリーン but 高い」から「クリーン and 安い」へ

従来太陽光発電は、「クリーンではある。しかし、何といってもコストが高い」と言われていました。

確かに、FIT制度発足当初(2012年度)のFITが、1kWh当たり40円と極めて高かったことは事実です。
同制度では、高いFITで買取りを行う電力会社の負担を軽減するために、電力会社が、電気の利用者である国民から広くあまねく賦課金を徴収できることになっています。
従って、当初FITを高くしたことは、いわば太陽光発電普及促進のための補助金を付けたような働きをしたと言えます。

でも、近年太陽光発電のコストは、高性能で安価なパネルが次々に開発されたことや、弊社のような設備設置会社がコスト引下げ努力を行ったこと等により、飛躍的に下がってきました。
これに伴って、FITはどんどん引き下げられ、2017年度における1kWh当たり21円というプライスは、現在中小企業が電力会社から購入している電気料金(1kWh当たり23~25円程度)を下回る水準まで来ています。

太陽光発電のコストは、既に火力発電並みとなっており、近い将来原発(事故対応を考慮する前のコスト)をも下回って、最も安価な電気となることが期待されています。 まさしく、「クリーン but 高い」から「クリーン and 安い」への転換が図られようとしているのです。

(4)遊休資産の有効活用

先にも触れましたが、工場・倉庫の屋根というのはこれまで、経済的価値を生まないいわば遊休資産でした。

それが、屋根上に太陽光発電の設備が設置されたことで、立派なクリーン・エネルギーの製造装置に早変わりした訳ですから、これは正真正銘の遊休資産活用と言えると思います。

また今後弊社は、屋根のみならず、耕作放棄地という「究極の遊休資産」に対しても太陽光発電設備を設置していく計画です。

さらには、未活用の湖・沼・溜池などに対しても、水面にプラスチック製イカダを浮かべ、その上に太陽光発電設備を載せるといった斬新な工法によって、新境地を拓いていきたいと考えています。

(5)屋根貸しオーナー様のメリット

屋根をお貸し下さるオーナー様に対しては、賃借料をお支払いすることは当然ですが、発電設備を設置する際に、屋根の塗装を原則無料で行わせて頂いており、これはオーナー様の大きなメリットになっています。

また、屋根の上に太陽光パネルを載せることで遮熱効果が生まれ、冷暖房効率の向上による空調コスト削減も期待できます。

それから、屋根借り期間(20年)の満了以降も、太陽光発電設備は引き続き10~15年程度使用し続けることが可能ですが、オーナー様のご希望により設備を無償で譲渡致しますので、自家発電または売電用にお使い頂けます。

さらには、太陽光発電用に屋根をお貸し頂いていることそのものが、環境問題に積極的に取り組んでいる 「クリーン・エネルギー貢献企業」とみなされ、社会的評価のアップにつながります。
この側面は、今後ますます大きくクローズアップされていくことでしょう。

様々な方々との提携により、社会貢献が一層拡大

1プロジェクトで見た場合の発電規模はかなり大きく、また地域も広く分散していることから、パネルメーカーにとって弊社と組むことは、パネルをまとめて納入できるのみならず、各種の実証実験の場とすることが可能となります。
例えば、日射量など様々な条件の異なる各地において、パネルが実際に発電したデータを、弊社からパネルメーカー宛てに還元することで、パネルメーカーは自ら計算した理論的性能を実地に検証することができます。
こうした連携は、新商品開発や環境問題への取組みにも生かすことができ、パネルメーカーにとって非常に大きなメリットになるとともに、そうした成果が弊社にも再還元されることで、好循環が生まれることになります。

また、投資家の方々から見ると、太陽光プロジェクトに出資することは、ローリスク・ハイリターンのポートフォリオ形成となることから、内外投資家からの引き合いが活発化しています。
キャッシュフロー予測がかなり正確に行えることや、プロジェクトが抱えるリスクが極めて限定的であることが、次第に投資家に認知されてきたからだと考えられます
地震リスクはありますが、設置場所が300~400箇所に上るため、分散が効いています。また、気候変動によって発電量が影響を受けるリスクはありますが、20年間の長期で見れば平準化します。その他に大きなリスク要因は見当たりません。

さらに、投資家や内外の事業会社が、環境問題への取組(クリーン・エネルギー対応)の観点から、太陽光プロジェクトへの出資を検討したり、自社工場・自社倉庫の屋根への太陽光設備設置に関心を示したりするケースも増えてきています。
とりわけ、環境問題に敏感な米国の消費財メーカーが、海外(とりわけ日本)で生産・販売活動を行う際に、厳格なクリーン・エネルギー対応を求める傾向が強く、弊社のプロジェクトに出資することに高い関心を示しています。

今後は、クリーン・エネルギー対応と地域振興をともに推進する目的で、地方自治体が耕作放棄地や湖沼の有効活用を本格的に検討する可能性も大きいことから、弊社としても積極的に働きかけていく所存です。

終わりに

以上、縷々述べてまいりましたが、「オールド・バンカーの挑戦」は始まったばかりです。 「事業の経営的成功」と「社会貢献の充実」という両輪のフル回転を目指して、まだまだ現役で頑張ってまいります。
皆様方の一層のご支援を賜りたく、何とぞよろしくお願い申し上げます。

第二電力株式会社
代表取締役会長CEO 寺井 宏隆